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ピラティスで身体の使い方が変わる「力の方向」とは?〜同じ動きでも効く場所が変わる理由〜

2026.08.14

ピラティスで身体の使い方が変わる「力の方向」とは?〜同じ動きでも効く場所が変わる理由〜


ピラティスのレッスンで、同じエクササイズをしているのに
「今日はお腹に効く」
「前回は脚が疲れた」
「少し意識を変えただけで動きやすくなった」
そんな経験はありませんか?
同じ動きをしていても、身体の使い方によって働く筋肉や、関節にかかる負担は変わります。
その違いを生むものの一つが、「力の方向」です。
ピラティスでは、どんな形をつくるかだけではなく、
どこから、どの方向へ力を伝えているのか
を意識することがとても大切です。


・同じ動きでも、身体の中では違うことが起きている
例えば、脚を伸ばす動き。
見た目では同じように脚が伸びていても
膝から前へ押し出しているのか
股関節から遠くへ伸びているのか
足裏から何かを押すように力を伝えているのか。
力を出す方向によって、身体の中で起きていることは変わります。
膝だけで強く押せば、太ももの前側に力が集中しやすくなります。
一方で、股関節から足先まで長く伸びるように力を伝えると、お尻や腿裏、体幹なども動きに参加しやすくなります。
つまり
「何をするか」だけではなく、「どう力を伝えるか」によって身体の使い方は変わる
ということです。


・力は一か所で生まれているわけではない
私たちの身体は、たくさんの関節や筋肉が協力しながら動いています。
歩くときも、足だけが動いているわけではありません。
足裏で床を押す力が足首、膝、股関節へと伝わり、骨盤や背骨、腕の動きへとつながっていきます。
身体の中で力がスムーズに伝わることで、一つの筋肉や関節だけに頼らず、全身で動くことができます。
反対に、力の方向が途中で止まってしまうと、一部分が必要以上に頑張ることがあります。
「太ももの前ばかり疲れる」
「肩に力が入る」
「腰ばかり使っている気がする」
といった感覚も、筋力の問題だけではなく、力が身体の中をどのように伝わっているかが関係していることがあります。


・ピラティスの器具は「力の方向」を教えてくれる
リフォーマーなどのピラティスマシンには、スプリングが使われています。
スプリングには、引っ張られたり、元の長さに戻ろうとしたりする一定の方向があります。
その力に対して、身体がどの方向へ力を出すのか。
ここが合ってくると、スプリングの抵抗をただ「重さ」として受けるのではなく、身体を動かすためのサポートとして利用できるようになります。
例えば、スプリングに引っ張られる方向に対して身体を長く伸ばしていくことで、一部分で踏ん張るのではなく、全身へ力をつなげやすくなります。
だからピラティスでは、負荷の強さだけではなく、スプリングの方向と身体が出す力の方向も大切にしています。

・「効かせる」よりも「つながる」
運動では
「お腹に効かせる」
「お尻に効かせる」
という言葉をよく耳にします。
もちろん、特定の筋肉を意識することが必要な場面もあります。
しかし日常の動きでは、一つの筋肉だけで身体を動かすことはほとんどありません。
大切なのは、一部分だけを頑張らせることではなく、必要な場所が協力できること。
足で押した力が股関節へ伝わる。
股関節から体幹へつながる。
背骨が伸び、その先へさらに力が伝わっていく。
このように全身へ力がつながっていくことで、身体は必要以上に力まずに動きやすくなります。

・日常生活でも「力の方向」は変えられる
力の方向は、ピラティスのレッスンだけの話ではありません。
椅子から立ち上がるとき。
階段を上るとき。
荷物を持つとき。
歩くとき。
私たちは毎日、床や物に対して力を加えながら動いています。
例えば立ち上がるときに、上半身だけを上へ持ち上げようとするのではなく、足裏で床を押してみる。
床へ向かう力があることで、その反対方向へ身体が伸びていきます。
身体を上へ伸ばしたいからといって、上にだけ頑張る必要はありません。
押す方向と、伸びていく方向。
その両方があることで、身体の中に伸び合う力が生まれます。


同じピラティスのエクササイズでも、力を出す方向が変われば、働く筋肉や身体の使い方も変わります。
大切なのは、形だけを真似することではありません。
どこで力を受け取り
どこから力を出し
どの方向へ伝えていくのか。
身体全体で力がつながるようになると、一部分だけに負担を集めず、より効率よく動けるようになります。
ピラティスは、筋肉を鍛えるだけではなく、身体の中で力をどう伝えるかを学ぶ時間でもあります。
同じ動きなのに、いつもと違う場所が働く。
いつもより軽く動ける。
そんな変化は、身体の中を通る「力の方向」が変わったサインなのかもしれません。