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姿勢は筋力ではなく“学び”で変わる

2025.09.05

姿勢は筋力ではなく“学び”で変わる

「姿勢を良くしよう」と背筋を伸ばしても、気づけばまた丸くなっている…。
多くの人が経験することですが、実はこれ、意志の弱さでも怠けでもありません。

姿勢が悪くなる本当の理由は――身体が“正しい姿勢のつくり方”を知らないからです。

姿勢は「形」ではなく「機能」

多くの人は「姿勢=見た目の形」だと思いがちです。
しかし実際は、背骨・骨盤・肩甲骨などの骨格、そしてそれを支える筋肉や呼吸のバランスによって成り立つ“機能”の結果。

例えば、胸を張って背筋を伸ばそうとすると、一瞬はシャキッと見えます。
でもこれは筋肉で無理やり形を作っているだけで、身体が“そこが正しい位置”だと理解していなければ、すぐに元のクセに戻ってしまいます。

つまり、姿勢の崩れは「筋力不足」や「柔軟性の欠如」以上に、身体の使い方の無知によるところが大きいのです。

身体は「知らないことはできない」

私たちの身体は、動き方や姿勢の取り方を“経験”から学んでいきます。
子どものころに転んで手をつく動作や、立ち上がり方を繰り返すうちに、自然と使い方を覚えるのと同じです。

でも現代人は、デスクワークやスマホ操作など「限られた動き」に偏った生活を送っています。
その結果、背骨や股関節など本来使うべき部分が動かなくなり、身体は“知らない”まま固まってしまうのです。
知らないことはできない――これが、姿勢が悪くなる根本的な理由です。

ピラティスは「身体の再教育」

ピラティスは、筋トレのようにただ筋力をつける運動ではありません。
骨の位置、呼吸のリズム、筋肉同士の協調性をひとつずつ学び直し、身体に正しい使い方を教育する時間です。

例えば、背骨を一つずつ動かす練習をすることで「反り腰にならずに背筋を伸ばす」感覚を理解できます。
骨盤や肋骨の位置を学ぶことで「無理に胸を張らなくても自然に胸が開く」感覚が身につきます。

こうした積み重ねが、形ではなく機能としての“美しい姿勢”をつくるのです。

「意識」から「無意識」へ

学んだことは、繰り返しによって習慣化されます。
最初は「肩甲骨を下げよう」「お腹を支えよう」と意識しながら行う動作も、繰り返すうちに自動的にできるようになります。
これが「無意識に良い姿勢でいられる」状態。

ここまで来て初めて、本当の意味で姿勢は変わります。

姿勢は、努力で一時的に保つものではなく、身体に学ばせて身につけるもの。
だからこそ、ピラティスは「運動」ではなく「教育」なのです。

姿勢の変化は、身体が“知っていること”を増やした証。
学びを重ねることで、自然体で美しい姿勢を手に入れることができます。